「売りたい」気持ちが勝ってしまい、説得をしてしまうことはないでしょうか?
あなたは、営業をしなければいけない時に、「売りたい」「買ってほしい」という気持ちが勝ってしまい、知らず知らずのうちにお客さまに説得をして粘ってしまっていることはないでしょうか?
実はトップセールスはセールスをしていない?のです。
そんなことを聞いたら、頑張って説得をして必死になっている営業マンは身も蓋もありませんね。
きっとこんなことを思うのではないでしょうか?
営業を来る日も来る日も、お客さまにガンガンと機関銃トークで頑張っているから、トップセールスになれるんでしょ?
と疑問に思われるかもしれません。
来る日も来る日もお断りの毎日の営業初期時代は、説得営業だった!
私は通信業の営業をしていた時に、来る日も来る日もお断りの毎日で、きっと営業職は私には向かないんだろうな?と辞表を片手に出社していたときのお話をします。
「売りたい」「買ってほしい」と想う気持ちが全面に出てしまっておりました。
要するに全体像からして、余裕がなく切羽詰まってしまっているわけなのです。
契約を取らなければ会社に戻れない、上司になんて報告をすればいいのだ・・・
なんて言う事ばかりを考えて毎日を送っていました。
入社初期は、主婦から営業の世界に入り、会社では売上が全然あがらず、白い目で見られておりました。
自分が会社の中にいるためには、どうしても契約をとり、売上をあげなくてはいけない、それが営業というものだと、緊迫した気持ちの中にずっといました。
笑顔も皆無、どうしたらいいんだと、いつも難しい顔をしていたように思います。
そこにはお客さまを見ている余裕がなくて、お客さまのためにという気持ちは何処かに置き忘れてしまっておりました。
「売ろう」「売ろう」と必死になればなるほど、お客さまの顔色は曇り、スルリと逃げてしまいます。
お客さまから見たら、私は「売り込み」「買わされてしまう」オーラが漂っていたと思います。
お客さまから「少しお話を聞かせて」と言われたら・・・
お客様から少し話を聞かせてと、軽い気持ちでお話をされたら、「チャンス!」とばかりに・・・早合点をしてしまい、一気にお客さまに商品説明や効果などをお伝えするので、お客さまもびっくりされて、身構えてしまいます。
お客さまが引いているのに、気づいていても、必死で粘っている自分がいるわけです。
後で自分のことを、考えれば哀れな感じさえしました。
お客様からしたらいい迷惑です。
「今はまだいいよ」などと言われても、何かの本で営業の勉強をした、「先送りする理由を聞け」という言葉が頭をよぎり、しつこく「先に検討される理由はどんなことでしょうか?」と粘ってしまう自分がいたのです。
お客さまの本心は、ちょっと話をしただけで売り込み色が強いから、勘弁だな、他も見てゆっくり検討をしようと考えていたと思います。
私は私で、どんなお断りに対しても欧州話法で切り返しをしなければいけないと、にわかセールス手法を信じておりました。
ある日お客さまから言われたこと
ある日、営業経験の長いといわれるお客さまにお会いしました。
丁度、お客さまは商品に元々興味がありましたので、ご契約をいただけました。
とてもいい人で、ご契約をしていただいた上で、こんな風に教えてくれました。
「あなたは営業を始めたばかりですね。
いえね、あまりにも一生懸命に商品内容をお話をされるので、ずっと聞いていたんだけれども、
元々買うつもりだったから、契約をしたんだ。
僕は営業マンでね、営業の苦労などがわかるから、あまりにも必死なあなたから買ったけれども、
他のお客様はお断りをしてしまうんじゃないかな?」
と痛いところをつかれました。まったくその通りだったからです。
お恥ずかしい話ですが、お客さまの仰る通り、営業を始めたばかりで、契約がないと会社に戻れないんです。
などと見抜かれているなと、正直にお話をしました。
するとそのお客さまは
「まるで自分の営業初期の時代を見ているようだったから、そう感じたんだよ」
そこから、お客さまを見ての営業をすることや、あなたを信頼できると思えば買ってくれるから、説得をすればするほど逃げてしまうなどを、教えていただきました。
まるで、お客さまと営業が逆です。
とてもいいお客さまで、地獄で仏という感じもしました。
そして、自分自身の営業スタイルを見直すことにしました。
トップセールスは営業をしていない
それからというもの無理にお願いをして、トップセールスに同行などをさせていただきくようにしました。
そしてトップセールスの観察と分析が始まりました。
トップセールスは、こんな風に考えます。
目の前のこんな素晴らしい商品を、一人でも多くの人にお知らせをしたい。
その素晴らしい商品を、広げていきたい。
そして、購入をしていただくことが、お客様の幸せの近道になる。
そして、お客様の夢の実現のために、そのサポートのために自分自身がいる!!
と思うわけです。
ですから、その商品が好きであることが条件にもなります。
好きであるためには、商品の良さを知り尽くしており、感情でいい商品だということを説明できるのが得意です。
自分が売りたい商品については、ものすごく勉強をしており、他と比べても、一番その商品が良いと思っております。
そして、商品に自信があります。
そうでなければ、言葉や行動にパワーやエネルギーが生まれません。
トップセールスは、全てはお客様のために・・・!
と考える人なのです。
そして、お客さまの将来はどうしたいのだ、どんな未来を描かれているのだろうということを
うまく導いて、お客さまの口から話しをしていただくことをしていました。
それをわかった上で、お客様が求めている、必要な部分だけの商品の説明をするので、話がわかりやすいというのが特徴でした。
ですから、営業をしているという感覚が、ないわけなんですね。
どうしたら、目の前にいるお客さまの未来が楽しくなり輝けるのだろうということを考えているようでした。
そこにはお客さまを説得をするということはありません。
お客さまをよく見ているので、何を求めているのだろう、将来はどうしたいのだろうと気持ちをわかった上で、お客さまを圧迫することなく、提案をするような雰囲気でお話をします。
一人ひとりのお客さまに合わせたトークをしている印象でした。
トップセールスは、お客さまを安心させ信頼を与え、営業をしない営業をしているということにもなります。
あなたも是非お試しをしてみてください。
まとめ
・「売ろう」「売ろう」という気持ちが強すぎると、「売りたい」気持ちが勝ってしまい、
返って売れない。
・トップセールスはセールスをすることをしていない。
・トップセールスは、お客さまの夢実現のサポートのために自分がいると考えている。
・自分の商品に絶対的な自信を持ち、好きであるための努力を怠らない。
・お客さまの口から、お客様の将来像を語ってもらうことをしている。
・一人ひとりのお客様に合わせて、圧迫感のない安心を与えるトークをする。