起業初心者が知っておきたい!好きなことで起業のポイント3選
起業初心者のあなたは独立起業するのに、好きなことを仕事にして経営をしていきたい思われていないでしょうか?
結構この部分を勘違いする人が多くて、起業をしても一年足らずで廃業に追い込まれてしまう人も随分います。今回は「好きなことを仕事にして起業」をした場合、本当に稼ぐことが出来て食べていけれるのか?という究極の悩みについてのお話をお届けします。
好きを仕事にして、起業をする・・・
憧れますよね!しかしここには落とし穴もあります。
好きを仕事にして、起業をするのにどうしても抑えておきたいポイントがありますので具体的に解説をして参ります。
起業生存率の現実!
時代の変化からか人生100年時代からなのか、学生起業家・週末起業家・会社員との併用での副業としての起業家なども含めて形態はいろいろですが、最近では「起業」をする人が随分増えました。
そもそも「起業」ってどういう意味なのか?、今回はここからスタートします。
精選版 日本国語大辞典から引用をしますと
「起業」・・・新しく、ある事業を起こすこと。事業を始めること。創業。
起業は新しく事業を起こすという意味ですので、この「新しく」と言う部分にポイントをおいて解説をしてまいります。起業をするのであれば、最初から一度も失敗などをしないで、安定したレールの上を走るかのごとく、事業が軌道に乗り経営も安定して成功をしたいですよね!
しかし、起業に夢を見ているあなたに、水を指すようですが起業の現実もわかっていただきたいと思います。起業の生存率は、一般的には1年で40%、3年で15%、10年で6%、20年経つと0.4%というのが検索ででてくる表示が多い状況です。
また一方では、1年で72%、3年で50%、5年で40%、10年経つと26%と言う数字も表示されています。
▲ご参考
もっと詳しい情報が知りたい方は・・・
「中小企業白書」のデータ(引用元)http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/h18/H18_hakusyo/h18/html/i1220000.html)
この数字のデータというのが、帝国データバンクに登録されている企業が対象となっているために、一定規模の対象がベースとなっており、中小零細企業や個人事業主は、含まれないために数字に乖離があるものと考えられます。
最新の2019年版の中小企業庁のデータは下記となりますが、今回は生存率のみの話ではないため、いずれにしても非常に厳しい状況ということをご理解いただきたいと思います。
▲ご参考
2019年版「中小企業白書」のデータ(引用元)
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/190426hakusyo.html
この生存率の厳しさは、起業家のあなたは、聴いたことがあるんじゃないでしょうか?
以前と比較すると、インターネットの爆発的な普及に伴い、上手く活用する起業家も増えてきて、少し緩やかな状況になったとは思いますが、それでも厳しいことには変わりはありません。
廃業の一番の要因は売上拡大・販売不振ということがあげられます。
簡単に考えれば、収入を増やして支出を減らすという、家庭の台所事情と同じです。
しかし、起業初期の売上が安定しない時期は、固定費(地代家賃・人件費・設備維持費などの毎月固定でかかる費用)を最小限に抑えて、早めにファーストキャッシュを掴むということに注力が必要です。要するに売上を伸ばすことに重点をおいて、固定費を削っていき、廃業のリスクを減らしていくのがポイントです。
好きなことを仕事にした起業で食べていけるのか?
好きなことを仕事にしてと考えている人はとても多いと思います。
好きなことでなければ、情熱が湧かない、長年仕事にできない、楽しくない・・・
などなどいろいろなご意見があると思います。 確かに好きなことを仕事にする願いは強いですね。
SNSやインターネットを見ていると、キラキラと輝いた中で、「好きを仕事にして~」とか、「自由な時間で好きなことで稼いでいく~」みたいな文言の起業家募集をよく見かけます。
はたして、現実問題として好きなことを仕事にして本当に起業で食べていけるのでしょうか?
◆個人相談をして感じる、起業に失敗してしまう人の特徴
私は起業をしたいという人と個別相談を、定期的に実施していますが、起業に失敗してしまう人にはある特徴があります。
私は個別相談時に、次のご質問をしますと、次の回答をする人たちがいます。
この場合は、起業で成功が難しいと言えます。
Q : 「どんなことで起業をされたいのですか?」
の質問に・・・
・起業内容がぼんやりとしており、現在の会社を辞めることが目的となっている人。
・将来、皆に囲まれて輝いている中心に自分がいてキラキラとしている。
しかし、ビジネス全体については何をするのか?など、漠然としており、全く具体性がない人。
・最初は何をしていいのかわからないから、ビジネスはぼんやりしていていいんだ!
と、以前の先生からの受け売りで、ご自身を正当化して徐々に見えてくるからと言って
行動を一切しないで、起業をする自分自身に酔っている人。
が結構な確率でいらっしゃるということです。
多分、背景にあるのが、SNSやインターネットの中のキラキラ系の文言にひかれてしまっているのか、或いはいろいろなところで起業の勉強されていて、ご自身の都合のいい部分だけが、頭に残っているのかもしれません。
要するに、「好きを仕事に~」という文言だけが独り歩きして、ビジネスとしての側面がぼんやりとして、肝心の対象のお客さまや商品などについてのご自身のある程度の考えが不在という状況の人があまりにも多いのです。
「好きを仕事に起業」で失敗をする人の共通点
個別相談からの回答でから纏めますと、「好きを仕事に起業」した場合に失敗をする人の共通点があります。
結論からお話をします。
①ユーザーファーストの姿勢ではないということ
②「好きを仕事に起業」で成功をしている人は、ほんの一握りの人
一つ一つを深堀りしていきます。
①ユーザーファーストの姿勢ではないということ
個別相談の質問に対する回答で、ある特徴があります。
全ての文言で、主語が「私は」になっていることです。
つまり、自分が主体となっており、ユーザーを何処かに置き忘れてしまっている点です。
ビジネスは商売ですから、起業家が提供する商品に価値を感じて、ユーザーはお金を支払います。
極端なことを言えば、私は私の好きなことをビジネスにして商売をしていますので、これ買って!と言っても、お客さまが求めているものでない限り、「だから何?」と見向きもされないわけです。
ましてそこにお金を払ってまで興味のない商品に手を出そうとはしません。
自分の好きなこと、やりたいこと、楽しいことを事業にしても、そこにお客さまが求めるニーズや欲するものがなければ、ビジネスとして成り立っていきません。
②「好きを仕事に起業」で成功をしている人は、ほんの一握りの人
憧れや夢を持つことは生きる上でとても大切です。
しかし、ある特定の一握りの成功者の信者になってしまい、ローリスク、ハイリターンで簡単に稼ぐことができた、という言葉を鵜呑みにして踊らされてしまう人は非常に危険です。
その成功者の影で、脱落者が99%いたとしても、その成功者の言っていることは絶対だと信じて、起業するということを簡単に考え過ぎてしまっている人は、あまりにも無防備です。
情報過多時代に、自分に都合の良い、甘い響きの言葉だけを信じてしまえば簡単に騙されてしまいます。
「好きを仕事に起業」という響きは、世の中にそう考える人が多いので、ローリスクでハイリターンですよ、楽して簡単に稼げますという甘い言葉で誘って夢を見させることが、契約になることをわかっている、ある意味、商売上手な人たちです。
現実的な部分を見る冷静さがなければ、どんどん騙されてしまいます。
好きなことで起業のポイント3選
好きなことで起業ができるのであれば、こんな楽しいことはないですよね。
しかし、収益化ができず商売というよりは、趣味の範囲で終わってしまったり、社会貢献というよりは自己満足で終わってしまったりという人が多いのも現実です。
それでは、好きなことで起業をする場合のポイントを3つお伝えします。
①好きなことが、顧客ニーズとマッチしているのか市場と競合を分析する
②好きなことを、仕事にできるスキルやテクニックを磨いて価値提供ができるレベルに引き上げる
③好きなことが、予防型である場合は焦点が弱く顧客に刺さりにくい
一つ一つを解説して参ります。
①好きなことが、顧客ニーズとマッチしているのか市場と競合を分析する
あなたの好きなことは商売として成り立つのか?ということです。
ご自身が好きなことであっても、お客さまが求めているものではなければ商売として成り立ちません。あなたの好きなことが、市場としてマーケットがあるのかどうか?
競合が全然いないんです・・・と言って喜んでいる人がいますが、これは逆の発想なのです。
競合がいないということは、お金を出してくれる人がいない市場ということにもなり、商売として成り立たないということになります。
どの位置にご自身の起業のポジションを置くのかが、起業をする上でとても重要です。
まずはポジショニングの分析から入ることが時間の無駄遣いになりません。
②好きなことを、仕事にできるスキルやテクニックを磨いて価値提供ができるレベルに引き上げる
好きなことが顧客ニーズとマッチして市場があることを判断をした上で、好きなことを仕事にできるくらいスキルやテクニックを磨いておくことです。
つまり、お客さまがあなたの好きを提供している商品に価値を感じてくれることが大切です。
③好きなことが、予防型である場合は焦点が弱く顧客に刺さりにくい
予防型のビジネスというのは、今すぐに必要ではないけれども、将来的にはこれをやっておくといいというビジネスです。
人間は将来のために予防をするというのは確かに大切ですが、緊急性がないと中々行動に移しません。
ビジネスですから収益が発生するタイミングを掴むことがポイントになりますが、それは人が行動してくれる時なのです。
人が行動をする時は、予防のビジネスですと、確かに大事なんだよね、だけど今すぐでなくてもいいんだ!ということになり、行動はどちらかというと鈍くなり重い腰をあげようとはしません。
すると商売としては、収益化の速度が弱く、ぼんやりとしたものになってしまいます。
緊急型のビジネスであれば、急を要するので、人は直ぐに行動をしようと思いますから、収益化になるスピードが速く、ビジネスとして成り立ちます。
ぼんやり系はビジネスとしては弱いということです。
例えば、歯医者さんの場合、日曜日に虫歯で痛みだした場合、直ぐに見てほしいわけですよね。
こんな場合は日曜日でも診察をしてくれる歯医者さんを、必死で探して行こうとします。
その場合は、人が行動をしますからすぐにお金が発生します。そして、治療をしてくれてありがとうと患者さんはお礼を言ってくれます。
これが緊急型のニーズがある場合です。
緊急型ビジネスのニーズは4種類に分けられます。
・人間関係・・・人間関係で悩んでいる人は多く、緊急性がある
・お金関係・・・お金で悩んでいる人は多く、緊急性がある
・見た目を変えたい系・・・例えばダイエットとか、アンチエイジングなどの美容系とか、髪が薄いなど人に言えない悩みで緊急性がある
・婚活系・・・彼や彼女が出来ない、結婚したいなどは、本能の部分にもなるので緊急性がある
好きを仕事にする場合、この4種類の緊急型のニーズに当てはめて、競合分析をして、商品化をしたら、テスト的に先ずは小さく市場のお客さまの反応を見てください。
時代の流れもありますので、あれこれと多少商品をずらしながら、お客さまの反応を見ては、試行錯誤されてください。
小さく試した分析データを必ず記録をしておき、うまくコツンと当たるものを、ビジネスとして大きくされていくといいと思います。
その他のLife系のぼんやりした感じは、お客さまに刺さる部分が弱いので、キャッチ部分を変えるなど見せ方に工夫が必要です。
まとめ
・「好きなことを仕事にして起業」は、一年足らずで廃業に追い込まれる人が後をたたない。
・「好きなことを仕事にして起業」する場合、落とし穴があるのでポイントを抑えておく。
・起業の生存率は、1年で72%、5年で40%、10年経つと26%の厳しい現実を理解。
・起業初期は、売上を伸ばすことに重点、固定費を削り廃業のリスクを減少。
・起業に失敗をする人の特徴を捉えておき、改善ポイントとして把握をしておく。
・好きなことで起業の3つのポイントを注力する