起業のウラの顔?
起業は本当に華やかなものでしょうか。
私は仕事柄コーチングも行なっておりますが、コーチングを行なっている際によく起業をしたい、という方とセッションをする機会があります。
恐らく起業という行為に対して華やかなイメージを持ち、会社員とは違う世界だと感じているのではないかと思います。
今回は会社を退職したある方からのご相談を事例に挙げたいと思います。
会社を退職したBさんのご相談
ある時に、半年ほど前に会社を辞めたというBさんから、こんなご相談を受けました。
Bさん:
「実は半年ほど前に会社をやめて、WEB関係の仕事で起業をしたのですが、未だに受注はなく、今のところお客様はゼロ、という状態です。起業するのにどんな人が向いていると思いますか? 率直なご意見を伺えますか?」
どうでしょうか?
こういう相談内容を聞いてあなたはどう思われるでしょうか?
無計画だと思われますか?
しかし、こういった相談は実はかなり多いのです。
その後、こんな質問を投げかけてみました。
グレース:
「ところでどうして会社をやめられたのですか?」
Bさん:
「どうしても会社の上司と合わなくて、 職場の人間関係に疲れ果ててしまい・・・」
実は会社にいてはわからないかもしれませんが、独立してから会社員でいればよかったと後悔する人はかなりいます。
会社を辞めてからわかること!
会社をやめて起業をした人なら、ほとんどの人が感じることとして会社というのは実はありがたい存在だった、ということです。
「あんな会社! あんな上司!・・・」と 思っていたとしても、独立したときには、全然信用がなくて、結局のところ、会社の信用で、今まで、食べさせてもらって いたんだなと感じられると思います。
起業をした華やかな世界の人ばかりを見て、 起業に憧れてしまう人も多々おられます。
しかし、本当にサラリーマンはありがたいものです。
会社の看板や信用があり、仲間がいて、そこでいろいろと話ができる。
そして何より毎月決まった日にちに、きっちりとお給料が支払われる。
勿論、与えられた自分の職務は遂行しないといけせんが・・・
独立した後にこそ、自分が如何に会社に守ってもらっていたことか・・・と言うことが感じられると思います。
独立後の心構え
しかし、会社を辞めてしまったら、直接自分自身に何もかもが降り掛かってきます。
いい面で言えば収入は上限がないので稼げば稼ぐだけ自分のものでしょう。
休暇も自分の取りたいように取ることだってできます。
しかし悪い面に目を向けると、責任は全て自分にあります。
全く売上を立てることができず収入ゼロなのも自分の責任です。
あなたに指示を出してくれる人もいません。正解を導いてくれる人もいません。
全て自分で選択し、決断していく必要があります。
サラリーマンであれば必ず指示を仰げる人が上にいたはずです。
何かあっても最悪収入がなくなることはなかったはずです。
ちょっと怒られるぐらいでしょう。
独立した場合、誰も正解を教えてくれません。
自分で手探りで正解と思われるものを探し出して選んでいかなければなりません。
どれだけ長い時間働いたかで評価される世界ではなく、どれだけ自分の商品を必要としている人に届けることが出来たか、で決まります。
そこで価値を感じてもらえれば対価としてお金を得られますし、価値がないと判断されればお金は得られません。
要するに、起業創業期は、自分で考え、企画をして、営業をして、仕事を取って、自分で売って、事務もやり、無駄な経費を削減し、仕事につながる 宣伝はしながら、利益を上げていく、ということが必要になります。
仕事の鬼とまではいきませんが、ある程度、 スペシャリストになって、経営の判断も早くしなければなりません。
泣き言を言っている暇などありません。
起業に向いている人は、孤独の中でもこのような不安と闘える人、何が待っているのかわからない、考えられないようなこともある恐怖心などにも打ち勝つことができないと、難しいです。
営業に向いている人とも共通点があるのですが、ある程度楽観的で自分を信じきれるポジティブな人が向いているんじゃないかと思います。
こんな風に正直な私の気持ちをお話をしましたところ、Bさんは元の会社のその折り合いの悪い上司だった人以外は、人間関係はさほど悪くなかったと、後悔をされているようでした・・・
恐らくBさんは遠くない将来、会社員に戻るでしょう。
まとめ
・起業の華やかなイメージだけで捉えると壁にぶつかった時に挫折する。
・会社員から逃れたい気持ちでの起業はうまくいかない。
・会社員時代がありがたい存在というのは、独立してから分かる人が多い。
・起業家になる前に情報を仕入れておく、起業家の裏の顔も知っておく。
・起業家になったら、社長、覚悟を決めて泣き言を言う暇はない。
・なぜ起業をしたいのか?の原点を自分自身に常に問うことが大切。
・自分のどの価値を提供をしていくのかを決めたら、卓越するように学びを強める。